尿失禁とは

自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう病気です。40歳以上の尿失禁羅患率は女性43.9%、男性17.6%と報告されており、女性に多いことがわかります。

腹圧性尿失禁

咳、くしゃみ、走る、ジャンプ、重いものを持ち上げるなどお腹に力が入ったときに尿が漏れてしまう病気です。出産や加齢、閉経に伴う女性ホルモンの低下、肥満、便秘、骨盤内の手術など骨盤底筋の低下が原因です。
骨盤底筋体操や薬物療法が中心となりますが重症の場合は手術療法の検討が必要です。

切迫性尿失禁

突然の強い尿意とともにトイレに間に合わず尿が漏れてしまう病気です。過活動膀胱の症状の1つでもあります。

混合性尿失禁

切迫性尿失禁と腹圧性尿失禁が混在する状態です。高齢の方に多くみられどちらの症状が優位かにより治療が異なるため患者さんごとに治療を組み合わせておこないます。

溢流性尿失禁

きちんと排尿ができていないために残尿が多く、膀胱から尿があふれてしまう状態のことをいいます。前立腺肥大症や前立腺がんなど排尿障害をきたす疾患や直腸がんや子宮がんの術後などで起きることが多いため精査が必要です。

機能的尿失禁

膀胱機能は正常ですが身体機能の低下や認知機能の低下が原因でおきる尿失禁のことをいいます。

男性の排尿後滴下
(あと漏れ)

原因としては前立腺肥大症による尿の勢いの低下と男性の尿道の形態にあります。前立腺肥大症の治療や会陰部を圧迫して残りを出すなど工夫が必要です。